「あいあい傘」は男女だけのもの?
こんにちは。辞書係です。
今回紹介する引きがいのある日本語は、
「あいあい傘」。
一本の傘を(相愛の)二人が一緒に差すこと
出典:『新明解国辞典第八版』(三省堂)
と、されており、今でもよく使う表現ですね。
20年前の「あいあい傘」
ところが、約20年前に出版された、『新明解国語辞典第六版』で
「あいあい傘」を引くと、面白い発見があります。
それは……
●一本の傘を(相愛の)男女が一緒に差すこと
出典:『新明解国語辞典第六版』(三省堂)
と、今と昔で違った解説がされています。

辞書係
お分かりいただけたでしょうか?
たった二文字の違いですが、とても大きな違いですね。
改訂によって今を映す
もしも、『新明解国語辞典』の「あいあい傘」が昔のままだと、
例え相愛であっても、異性でなければ「あいあい傘」とは言えないことになります。

辞書係
現代人の感覚では、相合い傘を男女のペアと限定してしまうのは、とても違和感がありますよね。
そこで、「男女」→「二人」と改訂することで、現代の考え方を反映させたものになりました。
たった二文字の改訂ですが、大きな変化となっています。
今と昔で、異なる解釈だった「あいあい傘」。
言葉の解釈も、時代の流れで変化していきます。
辞書が改訂を重ねて、今を映していくものであるという、わかりやすい例ですね。