申し訳程度の布面積
こんにちは。辞書係です。
今回紹介する引きがいのある日本語は、
「ビキニ」。
最近、夏が暑すぎるせいで、海水浴を楽しむ人も少なくなっているそうです。
夏の浜辺で刺激的なビキニ姿の海水浴客を見かける機会も、減っていきそうですね。
『新明解国語辞典』で「ビキニ」を引くと、おもしろい表現に出会うことができます。
乳の部分と下腹部とをそれぞれ申し訳程度におおっただけの、セパレーツ型の女性の水着。
出典:『新明解国語辞典』(三省堂)

辞書係
布面積の少なさを、「申し訳程度」と表現するのは、『三省堂国語辞典』や『旺文社国語辞典』では見られない表現です。新明解国語辞典らしい、すこしひねったおもしろい表現ですね。
それでは、「申し訳程度」とは、どういう意味なのでしょうか?
申し訳程度のお金、申し訳程度の謝罪、などなんとなく「少ない」という意味で普段使っている方も多いと思います。
『新明解国語辞典』では、申し訳程度とは、〔形式的にそうしただけで、実質を伴っていないこと〕とされています。
つまり、ビキニとは、〔形式的に、乳と下腹部をおおう必要があったからおおっただけの、実質をともなっていない(実質はだかのような)セパレーツ型の女性の水着〕であるということになります。
辞書の作り手側の「ビキニなんてけしからん!」という声が聞こえてきそうな表現でした。

辞書係
そこまで言われると、ビキニが着るのが恥ずかしくなりそうです。