痴漢を3つの辞書で引き比べてみると…
こんにちは。辞書係です。
今回紹介する引きがいのある日本語は、
「痴漢(ちかん)」。
絶対に許されない行為の痴漢ですが、『新明解国語辞典』『三省堂国語辞典』さらに『旺文社国語辞典』で意味を引き比べてみると、面白い発見があります。
まずは、それぞれの辞書の記述を見てみましょう。
(夜道や電車の中などで)性的な行為をする男。
出典:『新明解国語辞典』(三省堂)
〔=おろかな男〕いやがる人をさわるなどの性犯罪(をおこなう者)。
出典:『三省堂国語辞典』(三省堂)
①おろかな男。②混雑した乗り物や人気のない所などで、女性に性的ないたずらをする男。
出典:『旺文社国語辞典』(旺文社)
いかがでしょうか?
こうして比較してみると、『三省堂国語辞典』だけが、痴漢の定義を広くとっていることが分かります。

辞書係
新明解と旺文社は、「痴漢=男」としていますが、三省堂だけが「性犯罪を行う者」とし、性別についての言及を避けていますね。
現状では、痴漢が男のみに使われる言葉だという考えが普通ですが、どんどん男女の差別がなくなっていく未来では、相合い傘のように言葉の意味も変化していきます。
なので、『三省堂国語辞典』の記述が一般的になる日も遠くないのではないでしょうか。

辞書係
次の改訂に注目ですね!