一石二鳥(いっせきにちょう)

あ行

実現不可能な気がする一石二鳥

こんにちは。辞書係です。

今回紹介する引きがいのある日本語は、

「一石二鳥」。

一つのことをして、同時に二つの利益を得(成果をあげ)ること

出典:『新明解国語辞典』(三省堂)

日常でよく使われている四字熟語で、

由来が、「一つの石で、二つの鳥を打ち落とす」

という意味からきていることも、よく知られています。

日本を代表する辞書のひとつである『日本国語大辞典』(小学館)を引いても、

(一つの石で二羽の鳥をうち落とすの意から)一つの事をして、二つの目的を果たすたとえ。

出典:『日本国語大辞典』(小学館)

と、明記されています。

『日本国語大辞典』の一石二鳥

辞書界の超大御所である『日本国語大辞典』には、わざわざ「うち落とす」と記述されています。

うち落とすからには、対象となる鳥は飛んでいなければなりません。

辞書係
辞書係

一つの石で、飛んでいる二羽の鳥をうち落とすことって、限りなく不可能ではないでしょうか?

「一石二鳥」が実現可能な場面としては、

① 一羽に当たった石が、偶然その下(横)を飛んでいた鳥にヒット!

② ものすごい速さの石が、二羽の鳥を貫通!

このどちらかですが、②は石が弾丸並みのスピードでなければありえないでしょう。

①も一体どれだけの石を投げれば、都合よく実現できるのか、見当もつきません。

あるいは、パチンコや投石器のような道具を使えば、再現できる可能性も少しはあがるでしょうが……。

カラス駆除のために猟銃を使う場合もありますが、それでも仕留めるのは容易くありません。

ましてや、石ころなんかで鳥は仕留められるものなのでしょうか。

そんなことを考えると、

「一石二鳥」は、一つの事をして、二つの目的を果たす例えではなく、千載一遇や空前絶後のような、

「めったにない出来事」の例えのほうが、ぴったり合っている気がしてなりません。

辞書係
辞書係

一石二鳥の使い方に、一石を投じましょう。

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