激辛好きが辛党なのか?
こんにちは。辞書係です。
今回紹介する引きがいのある日本語は、
「辛党」。
「辛党」を辞書で引くと、意外な事実を知ることができます。
酒を好んで飲む人。辛口。
出典:『新明解国語辞典』(三省堂)

辞書係
「辛党」はいわゆる激辛グルメを好む人のことだと思っていませんでしたか?
たしかに、お酒にも辛口という表現は使われていますが、お酒を好んで飲む人は単に「酒のみ」「酒豪」と言いますし、年配の方ですと「左が利く」「左利き」という人もいます。
『三省堂国語辞典』の辛党
『三省堂国語辞典』でも「辛口」を引いてみると、
●酒のみ。酒の好きな人
●からい食品が好きな人
以上のとおり、酒だけでなく他のからい食品についてもふれています。
あえて「からい」とひらがなで表記しているのは、「からい」が様々な味に使うことのできる表現だからでしょう。ちなみに、「からい」を『三省堂国語辞典』で引いてみると、
●(トウガラシ・ワサビなどを食べたときに)舌がぴりぴりと感じられるような強い刺激を受け、思わず涙が出そうな感じを受ける様子だ。
●塩気が(強く)感じられる状態だ。しょっぱい。しおからい。
●(酒が)あまみが少なくて、舌に強く感じられる様子だ。
以上のように、たくさんの意味がでてきます。

辞書係
ワサビ好きな人や塩くどいものが好きな人を「辛党」と表現すると、違和感がありますね。
たくさんあるからい食品の中でも、特にお酒・トウガラシ系を好む人を特別に表現する言葉が、「辛党」であるということが分かります。