辞書が教えてくれる大切なこと
こんにちは。辞書係です。
今回紹介する引きがいのある日本語は、
「おくやみ」。
①人の死をいたみ、関係の深い人をなぐさめること(こと/ことば)
②香典
出典:『三省堂国語辞典』(三省堂)
『三省堂国語辞典』には、この「おくやみ」の項目に、
大人であれば誰しもが一度は経験のある、
あの場面について、大切な記述があります。
なかなか難しいおくやみ
お通夜やお葬式の場面で、喪主の方やご遺族にあいさつすることがあります。
そのとき相手になんと言葉をかければよいのか、『三省堂国語辞典』は教えてくれているのです。
●「このたびはご愁傷さまでございます。お力を落とされませんように」などの言い方がある (出典:三省堂国語辞典)
しかし、実際には場の雰囲気に委縮してモジモジしてしまったり、
参列者が多く、時間をかけられない状況で、例文のような言葉をはっきりと伝えられない場面があります。
そして、お通夜やお葬式の後に、「もっとしっかりとおくやみを伝えるべきだった」と反省することも少なくありません。
しかし、そんな気持ちも辞書はしっかりとフォローしてくれます。
「おくやみ」の欄には、さらに以下のような記述があります。
「このたびはご愁傷さまでございます。お力を落とされませんように」などの言い方があるが、実際には「このたびはどうも…」のように、はっきり言わなくても、気持ちが伝わればいい。
出典:『三省堂国語辞典』(三省堂)
大事なのは言葉ではなく気持ち
辞書は、おくやみの場面で大事なのは、言葉ではなく気持ちなのだと教えてくれます。
もちろん、しっかりとおくやみを伝えられることが一番ですが、悲しくて言葉がつまったり、
場の雰囲気に飲まれてしまったときも、「気持ちが伝われば大丈夫ですよ」と『三省堂国語辞典』は言ってくれているのです。

辞書係
なんて良い辞書なんでしょうか……(´;ω;`)