ずくめを引くと黒ずくめずくめ
こんにちは。辞書係です。
今回紹介する引きがいのある日本語は、
「ずくめ」。
それ以外の状態がそこには見られないこと。
出典:『新明解国語辞典』(三省堂)
使い方は、主に名詞のあとに「ずくめ」をくっつけて、「●●ずくめ」という表現で用いられます。
日常生活でもよく使われる、便利な表現の「ずくめ」ですが、辞書で引くと面白い発見があります。
それは、必ずと言ってよいほど、同じ例えがどの辞書でも書かれていることです。
さっそく、三つの辞書で「ずくめ」を引くと載っている例文を見てみましょう。
- 『新明解国語辞典』の場合 ……「うれしい事ずくめの一か月」「黒ずくめの服装」
- 『三省堂国語辞典』の場合 ……「規則ずくめ」「黒ずくめの服装」
- 『旺文社国語辞典』の場合 ……「結構ずくめ」「いいことずくめ」「黒ずくめの服装」

辞書係
なぜか「黒ずくめの服装」という例えがどの辞書にも登場しますね!ずくめを引くと、黒ずくめずくめな状況です。
「黒ずくめの服装」というと、あの超有名アニメ「名探偵コナン」に登場する、黒ずくめの服を着た組織の方々をイメージする方も多いはずです。(メン・イン・ブラックという方もいるかもしれませんが……笑)
辞書に載せる例えは「白づくめの服装」でも「茶色づくしの弁当」など、なんでもよかったはずですよね。
それなのに、あえて「黒ずくめの服装」を採用しているのは、何か理由があるはずです。

辞書係
辞書の作り手も、読み手がピンときやすい例えを探した結果「黒ずくめの服装」なら、みんなコナン見てるだろうし分かりやすいんじゃ?と考えたのではないでしょうか